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なぜ今、コンプライアンスリスクに注意すべきか?企業の存続を左右する要因を解説

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なぜ今、コンプライアンスリスクに注意すべきか?企業の存続を左右する要因を解説

「コンプライアンスリスクとは具体的に何?」
「自社のコンプライアンスリスクを軽減したい」
などとお悩みではありませんか。

この記事では、企業が存続して行く上で知っておくべきコンプライアンスリスクを解説します。コンプライアンスリスクの6つの種類を事例ごとに紹介。また、コンプライアンス違反を起こさないためには、自社に存在するコンプライアンスリスクについて把握し、事前に予防することが重要です。

コンプライアンスリスクとは

コンプライアンスリスクとは、コンプライアンス違反によって法的責任や社会的信用を損なうリスクのことをいいます。本来「法令遵守」を意味するコンプライアンスですが、 現在は法令以外にも企業倫理や就業規則、社会規範も含んでいます。

 また、コンプライアンスリスクは、自社の評判を損なう「レピュテーションリスク」とも切っても切れない関係にあります。コンプライアンスリスクが顕在化すると、社会的・経済的に大きなダメージを被るため、適切な管理が必須です。

コンプライアンスリスク対策の重要性とその背景

企業に大きな損失を与えるコンプライアンスリスクには、対策となるリスクマネジメント戦略の整備が重要です。コンプライアンスリスク対策の重要性やその背景は、以下の4つのポイントで説明できます。

  • 法的責任を問われるリスクの回避
  • 社会的信用低下の回避
  • 企業イメージやブランド価値の向上
  • 従業員の働きやすさの向上

法的責任を問われるリスクの回避

コンプライアンスリスクが発生すると、損害賠償・行政処分・刑事罰などのリスクを負う可能性があります。賠償額や罰金額が大きい場合、それだけで経営に大打撃を与えるケースもあるため、何としても回避する必要があるでしょう。

社会的信用低下の回避

コンプライアンスリスクが発生すると、社会的信用低下を招きます。特に近年は情報の拡散スピードが高速化しており、一瞬で企業やブランドのイメージが失墜してしまうケースもあるでしょう。信用低下は致命的なダメージにもつながる恐れがあるため、リスクマネジメントが必要です。

企業イメージやブランド価値の向上

コンプライアンスリスクへの対策を発信すれば、クリーンな経営が評価されるなどして企業イメージやブランド価値の向上が期待できます。コンプライアンスリスク対策は業績アップに対して即効性のある施策ではないものの、長期的に見れば有効だといえるでしょう。

従業員の働きやすさの向上

コンプライアンスを徹底すれば、従業員が正しく評価され働きやすい職場になります。魅力的な職場であることが社会に伝われば、人材採用などの面でもメリットが期待できるでしょう。

コンプライアンスリスクの種類と事例

コンプライアンスリスクは、内容によって下記6つの種類に分類されます。

  • 法令違反によるリスク
  • 社内規定違反のリスク
  • 契約違反のリスク
  • 第三者に対する不法行為のリスク
  • モラル違反等による社会的信用低下のリスク
  • 社会の期待を裏切る行動によるリスク

 一口にコンプライアンスリスクといっても、その種類は多岐に渡ります。適切な対策を打つためにも、まずはそれぞれどのようなリスクなのかを理解しましょう。

法令違反によるリスク

「コンプライアンス」の言葉の本来の意味である、法令違反によるリスクを指します。業種により守るべき法令は異なりますが、遵守すべき主な法令は以下の通りです。

  • 労働基準法
  • 下請法
  • 消費者契約法
  • 会社法
  • 独占禁止法
  • 金融商品取引法
  • 景品表示法
  • 電気通信事業法
  • 道路交通法

 上記の法令に違反すると、行政処分や業務停止命令、刑事罰などの罰則を課せられます。会社の規模や不祥事の内容によっては大々的に報道される可能性もあり、特に注意が必要な分野です。
対応策としては、従業員に関連する法律の趣旨や精神(内容)について理解させることがあげられます。営業職などで社用車を使う場合は、安全運転義務違反などを定めた道路交通法についても注意が必要です。

社内規定違反のリスク

社内規定は法律ではありませんが、守られないと問題となるリスクがあります。社内規定は 法令違反を予防するために、従業員の行動規範を定めている 意味合いもあるためです。

 例えば、使用・持ち出し可能な端末の取り扱いや、領収書や稟議書の提出ルールなどが挙げられます。従業員が上記ルールに違反すると、機密情報の漏洩や、税金の申告漏れなど法令違反に発展する恐れがあります。

 また、サービス残業やパワハラなどの労働条件の違反も挙げられるでしょう。このような規定違反を見逃すと、労働基準法の違反に繋がる可能性があります。

契約違反のリスク

契約違反のリスクとは、取引先や顧客との契約を守らないことによるリスクです。具体例として、下記が挙げられます。

  • 期限・納期を守らない
  • 支払い期限を過ぎても代金を支払わない
  • 契約内容の一部または全部の不履行

 上記のような契約違反は、契約解除や損害賠償にまで発展する場合があります。ケースによっては、企業イメージの低下により事業の継続が困難なる可能性もあるでしょう。

第三者に対する不法行為のリスク

第三者に対する不法行為のリスクとは、顧客や取引先に限らず、世間に対する不法行為を行うことによるリスクを指します。下記は代表的な不法行為の例です。

  • 他企業や個人に対する知的財産権の侵害
  • 施設や店舗設備の不備による起因で発生した事故
  • 不法投棄や汚染物質の流出による公害

 直接取引関係になくとも、第三者に損害を与えれば社会の一員としての責任を問われます。被害者への多額の損害賠償が発生するケースもあり、自社に与える影響も大きいです。

 内容によっては、事業を継続するのに必要な技術を使用できなくなったり、知的財産を没収される可能性もあります。

モラル違反等による社会的信用低下のリスク

モラル違反等によるリスクとは、 企業や従業員のモラル違反が社会の目に留まり、信用を失うリスク です。代表例として、SNSへの不適切投稿が挙げられます。自社による発信だけでなく、第三者が自社の不祥事を公にさらすリスクも含め、レピュテーションリスクとも呼ばれます。

その他の具体例は、以下の通りです。

  • ユーザー及び第三者からの商品や企業に対する誹謗中傷
  • 海外でのストライキや不買運動

 たとえ法律に違反していなくとも、社会通念上不適切と思われる行為は糾弾の対象となります。企業には明文化されていないモラルを守ることも求められます。

社会の期待を裏切る行動によるリスク

たとえ法律や社内規則に違反していなかったとしても、社会からの期待や要請を無視した行動は、社会的信頼を失う原因となるため注意が必要です。CSR(企業の社会的責任)を無視した企業は、モラル違反と同様にレピュテーションリスクに直面します。

具体例は以下のとおりです。

  • 環境問題を無視した原料の使用による投資家からの評価低下
  • 劣悪な労働環境の発覚による批判や不買運動

 こうしたリスクを防止するためには、自社が社会から何を期待・要請されているのかを正しく理解し、経営に反映する必要があります。投資家や一般消費者から見て、信頼できると判断される経営を目指しましょう。

コンプライアンスリスクが発生する主な原因

コンプライアンスリスクが発生する主な原因・理由として、以下の4つを解説します。

  • 従業員による人為的ミス
  • システムエラー
  • 不十分な社内ルール
  • 従業員の不適切な行動(背信行為)

従業員による人為的ミス

従業員によるミスは、コンプライアンスリスクが発生する原因のひとつです。たとえ故意ではないヒューマンエラーであっても、結果としてコンプライアンス違反になってしまう可能性があります。

 メールの誤送信による情報漏洩は、人為的ミスによるコンプライアンスリスクの代表例です。個人情報を含むメールを誤った宛先に送信してしまうと、個人情報保護法違反に該当する可能性があります。

 請求金額の記入ミスや契約書の不備なども、ヒューマンエラーによるコンプライアンスリスクの一例です。確認不足で法的なトラブルに陥ってしまわないように、ダブルチェック体制やシステムによる自動化などを検討しましょう。

システムエラー

利用している自社のシステムの不具合も、コンプライアンスリスク発生の原因になります。システムエラーは予見が難しいうえ、原因特定や復旧に時間がかかる傾向もあるため注意が必要です。

 システムエラーによるコンプライアンスリスク発生の例としては、セキュリティシステムのエラーによる情報漏洩が代表的です。システムの不具合が原因で個人情報が流出してしまった場合にも、個人情報保護法違反となる可能性があります。

 他にも決済システムやサーバーなど、自社のサービスを支えるシステムの障害によって顧客に損失を与えると、コンプライアンスリスクに発展します。バックアップ体制を整えるなど、適切な対策が必要です。

不十分な社内ルール

システムが正常に機能し、従業員がミスなくルールに従って業務を行っていたとしても、社内ルールに不備があるとコンプライアンスリスクを引き起こす可能性があります。

 例えば、顧客情報管理に関するルールが曖昧だと、知らないうちに個人情報保護法に違反してしまうリスクがあるでしょう。また、労働時間の管理に関する規則の不備は、労働基準法違反を引き起こす原因です。

 法改正があった際に、関連する社内規則を更新できていないケースもあります。社内規則や行動規範を定めるときは、弁護士などを専門家の意見などを取り入れながら、コンプライアンスの徹底できるように定めるようにしましょう。

従業員の不適切な行動(背信行為)

従業員による背信行為やその他の不適切な行動は、コンプライアンスリスク発生理由のひとつです。社員による不祥事がコンプライアンスリスクを招いた事例は、近年でも多く報道されています。

 背信行為の事例として挙げられるのは、会社資金の横領・着服や機密情報の持ち出し、ハラスメント行為などです。他にもバイトテロと呼ばれるアルバイトの悪質ないたずらの拡散なども、従業員の不適切な行動によるコンプライアンスリスク発生に該当します。

 背信行為は従業員個人の悪意によって行われるため、ルールによって完全に防止することは難しいでしょう。とはいえ、発生時のリスクやダメージは大きいため、監視体制を強化や研修を行うなどの対策は必要不可欠です。

コンプライアンスリスクを抑えるためのリスクマネジメント戦略

コンプライアンスリスクを抑えるためには、下記3つの戦略が重要です。

  • コンプライアンスリスクの評価と分析
  • リスク回避のための組織体制の整備
  • 研修と対策の必要性

 まずはどのようなリスクがあるのかを洗い出し、予防をするための体制や土壌づくりをする必要があります。従業員に法令順守の意識を徹底させるには、研修も必要です。以下で詳しく見ていきましょう。

コンプライアンスリスクの評価と分析

最初に行うのはコンプライアンスリスクの評価と分析です。いきなり社内規定の変更や新たなマニュアル作成に取りかかるのではなく、まずは社内の状況を整理しましょう。そして、どのようなコンプライアンスリスクが潜んでいるかを洗い出します。

 社会情勢に合わせて、法令が改正されている可能性もあります。少なくとも自社が属する業界の最新の法令事情もチェックしておきましょう。

リスク回避のための組織体制の整備

現状の自社におけるコンプライアンスリスクを洗い出せたら、リスクを回避するために組織体制を整えます。例えば、ダブルチェック・トリプルチェックはシンプルですが有効な対策です。法律・税金面のチェックは弁護士や税理士に依頼したり、ヒューマンエラーを防ぐためにシステムを導入したりするのもおすすめです。

 また、リスクを回避するための対策は定期的な見直しを行う必要があります。コンプライアンス委員会を作り、定期的な効果測定と継続的な改善を行いましょう。

研修と対策の必要性

コンプライアンスリスクの研修は、従業員の認識を変えるために有効な方法です。有識者を呼んでの研修や、従業員によるワークショップを開いて体験させる方法などが考えられます。

 また、ハラスメントなど日々の業務で起こりうるコンプライアンスリスクについては、2022年より内部通報窓口の設置が義務化されました(従業員300名以下の中小企業は努力義務)。内部通報者に対する取り扱いに関しては、 公益通報者保護法によって不利益が生じないと明確に表明しておきましょう。 [注1]

[注1]改正公益通報者保護法の広報用チラシ 消費者庁

従業員へのコンプライアンス教育プログラム

従業員へのコンプライアンス教育におすすめなのは、動画を活用した研修です。動画形式であれば、文字よりもリアリティがあり、従業員が自分事として研修を受けやすくなります。

 また、動画研修には時間的・地理的制約がないメリットもあります。東映は企業向けにドラマ形式の研修動画を制作しており、例えば以下のような人権啓発動画を制作しています。

 

ハラスメントの裏に潜む 無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス) 〜職場のコミュニケーション向上のヒント〜

切り裂かれた未来 〜飲酒運転の代償〜

映画会社のノウハウを投入し、見る人の心を動かす没入感のある動画教材が強みです。興味のある人は、ぜひ下記より他の人権啓発動画もご覧ください。

ドラスタの人権啓発動画一覧

コンプライアンスリスクの対策には「ドラスタ」

コンプライアンスリスクの意味や種類、リスクを抑える対策を解説しました。社会の一企業として存続していくためには、コンプライアンスリスクのマネジメントは重要です。社内規定を見直し、時勢に合ったルールに改善しましょう。

従業員のコンプライアンス研修には、動画教材を用いるのがおすすめです。東映が運営するドラスタは、映画会社の強みを活かし、リアリティで訴求力の高い動画教材を制作しています。人権啓発の動画教材を多く用意しているので、どのような作品があるか以下よりご確認ください。

ドラスタの人権啓発動画一覧

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